皆さん、こんにちは。広島で公認会計士&税理士をやっています奥田と申します。
今回は前回の1つ目に続き、私が実際に金融検査の仕事をして感じた点を述べていきたいと思います。
2つ目、コミュニケーション能力(バランス感覚)が鍛えられる/求められる
1つ目でも触れましたが、問題点について特に役員クラスの方々は自らの組織的な問題ではなく、担当者や担当部署のミスや間違いとして結論づけてしまいたいと考える傾向があります。一方、担当者や担当部署の職員の立場からすると、たとえミスや間違いであったとしても自らの責任問題となる可能性があり、今後の人事評価へ影響を与える可能性がありますから、自然と金融検査に対して非協力的なスタンスをとる傾向があります。
このように金融検査は役員クラスの方々の考えや担当者・担当部署の方々の事情などを踏まえてやっていく必要がありますので、金融検査においてコミュニケーション能力(バランス感覚)は必須であり、必然的にコミュニケーション能力(バランス感覚)は鍛えられていきます。
また、長期の間、検査を行っていると金融機関内部の人間関係が分かってきたりもするので、金融機関内部の人間関係をも考慮することで検査をよりスムーズに行うことができます。
さらに、30代以下の若手の職員の中には、金融検査を通じて(利用して?)自らの組織の問題点の改善を図りたいと考え、積極的に情報を提供してくれることもありますので、このような存在を見つけることができれば、より本質的な問題についての検査を行うことができると考えます。
※どこの世界も同じだと思いますが、10年以内にいなくなる可能性の高い役員クラスの方々より、10年以上在籍する可能性の高い若手の職員クラスの方が、長期的な視点で自らの組織のことを考えている場合が多いです。逆に役員クラスは、問題点を認識しながらも、とりあえず自分の在籍する間はお茶を濁しておこうというスタンスの人が多かった気がします。もちろん若手の職員の中にも、自らの責任の重たくない立場のうちに都合の悪い点を何とかしようという打算や計算は当然にあると思います。
長くなりますので、3つ目以降は次回に続きます。
