皆さん、こんにちは。広島で公認会計士&税理士をやっています奥田と申します。
以前のブログで特殊詐欺などで被害に遭った場合の税務上の取扱いについて述べました。今回は関連する内容として昨年話題となった証券会社の口座で不正な取引の被害を受けた場合の税務上の取扱いについて述べてみたいと思います。
まず不正な取引がどのようなものだったかというと、口座から金銭が流出するといったものではなく、主には他人の口座に不正にアクセスして勝手に株式の売買取引を行うというものになります。不正アクセス者の目的としては特定の株式の売買を行い株価を吊り上げて利益を得ることなどのようです。(売買の結果としての株式は口座に残ったままの状態となります)
証券会社の対応は、➀不正取引が生じる前の口座の状態に戻す原状回復を行う、➁口座の原状回復は行わず、不正取引がされた状態のままとする、③口座の原状回復は行わないものの一定の金額の補償金を支払う、などがあり各社の対応方法によって課税関係は異なってきます。
➀口座の原状回復を受けた場合について
この場合は不正取引に係る損益は生じないことになるので所得税の課税関係は生じません。
➁口座の原状回復を受けない場合について
この場合は通常の株式等の取引と同様に口座の保有者には不正取引に係る損益が生じることになり所得税の課税関係が生じます。上場株式等の譲渡所得等については原則、申告分離課税となります。
③受け取った補償金について
補償金については損害賠償金等に該当するものとして非課税の対象となります。
なお、口座の原状回復を受けた場合のみならず、受けていない場合においても雑損控除の事由に該当しないので、口座保有者は雑損控除の適用を受けることはできません。
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